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おおさかでんとかがくこうぎょうかぶしきがいしゃ

大阪電鍍化学工業株式会社

大阪市生野区巽西2丁目11番30号/電話:06(6758)2631

大阪電鍍は電気めっきによる「装飾めっき」、及び「素地研磨」「クリア塗装」処理を行っております。

めっきについて

 簡潔に言いますと、金属や樹脂などの非金属の表面に銅・ニッケル・クロム・金などの金属の密着性のある薄い皮膜を素材に施す技術です。

*薄い皮膜⇒皮膜の厚さは通常ミクロン[μ]単位で、1ミクロンは1,000分の1ミリです。分かりやすい例では、市販のアルミホイルの厚さは約10〜15ミクロン程度です。)


 俗に「めっきが剥(は)げる」という言葉がありますが、まさしく少々荒れた素材や光沢のない暗い素材でもめっきすることにより、明るく・美しく変身させることができるのがめっきという表面処理技術なのです。

めっきの種類

めっきする”目的”

電気めっきの方法

色調

装飾めっきでは、めっきの種類・加工方法により、金属のもつ奥深い光沢感、穏やかなヘアライン仕上など、様々な色調を表現できますので、使用される周囲の雰囲気に合わせて選択することが可能です。また下地めっきをきちんと施せば耐食性も向上します。

めっきの歴史〜雑学

<「銅」はなぜ銅色に見える?>
金属の色と言えば、おおよそ銀やアルミなどのシルバー系の色を想像されると思います。物体の色は可視光線(波長380nm〜770nm)がその物体で反射することにより見えます。銅の場合は、この可視光線の橙黄色より短い波長(紫〜青〜緑〜黄)を反射せずに多くを吸収してしまうので、主に反射される赤系の波長の光により、いわゆる銅色に見えます。また、アルミニウムは可視光の範囲でどの波長の範囲でも反射率が高いので、アルミ独特の銀白色となります。反射度合いは、表面の凸凹具合により変わってきますので、同じ素材でも表面状態(鏡面や梨地などの違い)により違いが生じます。

波長 短← 紫外線       赤外線 →波長 長

可視光線は電磁波の一種です。ちなみに、可視光線の波長はナノの単位ですが、テレビやラジオの電波の波長は、メートルの単位です。(例えば、周波数1000kHzのラジオの電波では、波長は約300mです。)

<金属の特徴>
ひとことに金属と言ってもそれぞれ性質に違いがあります。かなり大雑把になりますが、めっきで使用する金属でもニッケルめっきとクロムめっきでは一見同じシルバー色ですが、並べてみるとクロムが青っぽく、ニッケルが黄色っぽく見えます。また、耐食性面でもニッケルめっきのみでは、時間が経過するとくもりが生じますのでクリア塗装でめっき面を保護し光沢を保持します。しかしクロムめっきでは、通常の使用環境であればクリア塗装なしで長期間光沢を維持できます。(注:通常クロムめっきは、クロムめっきだけではなく下層に銅やニッケルめっきを施します。また、上記性能は下層めっきの厚さ等により違いはあります。)

 

 銅・アルミ・ステンレスの素材が用いられている日用品で素材の性質をつかみやすいものに、鍋やフライパンなどの調理器具があります。
 銅の鍋は、熱伝導が非常に優れているので西洋料理や日本料理などのプロの厨房ではかかせません。一般家庭では肉厚が厚く重いので、次に熱伝導に優れ、軽量であるアルミ製の鍋や内面がコーティングされたフライパンが良く使われています。
 一方、ステンレス製の鍋は他に比べ熱伝導が悪く焦げ付きやすい欠点がありますが、最近は多層構造などにして、その欠点を補った製品が多くあります。ステンレスは、一般的なIHクッキングヒーターなどの電磁調理器へも対応が出来るメリットがあります。(具体的にお使いの際には対応可否をご確認ください。)また逆に熱伝導率の悪さを利用した、ステンレス製の魔法瓶も普及しています。  
 また、余談となりますが毎日使う包丁も現在はステンレス製が主流でほとんど錆びず、手入れ(砥ぐ)をする習慣もあまりなく1,2本あれば十分ですが、切れ味の点では安来鋼に代表されるいわゆる鋼の包丁にはかないません。但し、ステンレス製に比べやや刃こぼれし易く、錆びやすいので、定期的な手入れが必要です。しかし主に魚をさばく為の包丁だけでも、出刃、柳刃(正夫)、ふぐ引き、タコ引き、あじ切り(小出刃)・・・などあり、安来鋼でも青紙、白紙・・・と種類があり、なかには「本焼き」と呼ばれる日本刀と同等の工程でつくられた最高級のものもあります。料理または刃物づくりに対するこだわり・繊細さを感じることが出来ます。
器具素材の選定では家庭調理の分野では軽さやメンテナンスがし易いなどの取り扱い性、専門分野では機能性を重視したものとなっているのでしょうか。

 

写真左)刺身包丁、右)小出刃と出刃包丁

↑めっきとは関係ありませんが、日頃使っている金属製品は多種多様です。

めっきをはじめとする金属表面処理は、各金属の持つ短所を補い、長所を最大限に発揮出来るように、様々な分野で用いられています。

<装飾めっき> 〜歴史・特徴など〜

〜〜 めっきの歴史 〜〜
 めっきの起源は、紀元前15000年、メソポタミア時代にメソポタミヤ北部のアッシリアで鉄器へのすずめっきが行われたという記録があり、中国では春秋戦国時代(紀元前770〜紀元前221年)にアマルガム法によって塗金が施されたそうです。前漢時代(紀元前206年〜9年)には優れた塗金の青銅器が現れました。
 また日本では古墳時代から奈良時代にかけてだと言われています。
 秦の始皇帝の時代とされる兵馬傭坑からクロムめっきされたと思われる剣が発見され、その青銅製の剣は約2200年を経てもほぼ完全な形をとどめていたそうです。クロムめっきが開発されたのは近代になってからで、当時どのような方法でめっきされたのかは不明です。
 日本における古代めっき技法については、水銀を塗布した面に金箔を押し付けて加熱する方法と金アマルガム(滅金)を用いる方法があったそうです。<−アマルガム鍍金−けしめっきともいい、水銀に金を融かして金アマルガムをつくり、これを塗布して加熱し水銀を蒸発させ金を固着させる方法。>
 日本の古代めっきについてまず思い浮かぶものといえば、東大寺の大仏であると思います。そのめっき技法については、伝えられていないこともたくさんあるのですが、『東大寺要録』にはめっきを施すために練金約146kg、水銀約820kgを使用したと記録されているそうです。また、塗金作業には約5年を要したそうです。
 かの有名な福沢諭吉の自伝の中では、若い頃にめっきを行なった(実験?)ことがあるという一節が見受けられます。
 バグダット電池と呼ばれるものが、イラクのバグダッド東方で、1932年にドイツの考古学者によって発見されました。それは約二千年前のバルチアン時代のパルチィア人のものと言われ、電池の構造は、土器の中に銅の円筒を置き、その中に鉄棒を固定して電解液を満たし開口部をアスファルトで封をしあり、電圧は0.8V程度であったと推測されています。その電池の使用目的は、装飾細工職人が指輪や首飾りなどに金・銀めっきを施す為に使ったのではないかと考えられています。

現在では、水道の蛇口からパソコン・携帯電話などを構成する部品まで、色々なところにめっき技術は用いられており、「めっき」は生活に密着したものとなっています。

めっきについて
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